電気工事士の見習い募集で【むしろ無資格OK】の会社に理由を聞いてみた

電気工事士  見習い  無資格 

「わたしは、これまで現場工事とは全く違う仕事をしてきました。ですが将来の安定や給料を考えると、何か手に職をつけたいと思うようになり、いろいろと調べているうちに、電気工事士のことを知りました。頑張って技術を身につけられたとしたら、結構いいような気がしています。ただ、自分は工事の経験もないし、電気工事士の資格も持っていません。求人情報を見ると、資格も経験も不問となっている求人も目にしますが、新しい業界で見習いからのスタートになるし、無資格だと、どんな感じになるのか、気になっています・・・」

というような質問を、転職者の方からいただくことがあります。このあたり、見習い募集をしている企業は具体的にどのように考えているのでしょうか。また、実際に電気工事士の見習いへ転職する時に、どんな心構えが必要となるでしょうか。

この記事では、わたしたちが電気工事専門の求人サイト(工事士.com)を運営する中での実績や情報をベースに、電気工事士の見習い募集をしている企業様に改めて聞いてみた話を加えて、お伝えてしていきます。是非、参考にしてください。


目次

1.見習い求人の募集状況は?
2.企業が、無資格OKで採用をする背景・理由
3.転職者自身にとって、無資格で入社する影響は?
4.年齢は関係あるか?
5.見習い時の仕事内容や待遇は?
 

1.見習い求人の募集状況は?
まず、見習い(電気工事の未経験者)を募集する求人の状況を見てみましょう。電気工事専門の求人サイトに掲載されている求人情報から、集計しました。見習いとしての入社が可能な未経験OKの求人は、全体の68%でした。

▽求人全体での見習い募集の割合
「見習い募集:未経験OK」 ・・・ 68%

「経験者募集:経験必要」  ・・・ 32%
続いて、見習い募集の中で、資格を必要としているかどうかを見てみましょう。


▽見習い募集求人での応募条件
「無資格OK」 ・・・ 78%

「資格必要」  ・・・ 22%


(集計は、2017年10~12月掲載の求人を対象)
(職種は、電気工事士を主に、現場代理人や設備保守の仕事も一部含みます)

見習い募集の求人の表記上では、無資格OKとする募集の割合が多いようです。ただ実情を少し補足をしますと、「できれば経験者を採用したいけど、ヤル気があれば見習いからでもOK」という企業もあれば、逆に「資格も経験もない人だけを採用している」というような企業もいます。本当は即戦力が欲しい・・・と考えているような場合は、経験不問でも内定をもらうハードルは高い時もあります。同じ応募条件だとしても、その考え方や選考のハードルは企業によって異なると思っておきましょう。企業が具体的にどのように考えているかは、本記事でこのあと掘り下げていきますので、続きを確認してくださいね。

また、実際にどのような求人情報があるのかが少し気になる方は、電気工事士の見習い・未経験者募集の求人をさらっと見てから、記事の続きをお読みください。
 

2.企業が、無資格OKで採用をする背景・理由
では続いて、求人募集を出している企業の社長や採用担当者から聞いた声をお伝えします。

未経験OK、また無資格でもOKという企業の声
「ウチに今いる社員は、全員が未経験で、ほとんどが無資格で入社しているよ。未経験からでも、頑張って現場作業を覚えて、第二種電気工事士も第一種電気工事士も取得して、ちゃんと活躍してくれてる。未経験の方が、成長していけるように教えるコツも、どんどん増えてる。これからも、未経験の見習い募集を続けるよ。」

「経験があると言っても、結局どのくらいの技術があるかは現場でやってもらわないことには分からないよね。それに、電気工事の分野は幅広いでしょ。ウチと違う種類の工事経験者だったら意味がないというか、結局教えないといけない。だったら、未経験の人を採用しても同じ。経験者募集に限定して、採用に時間がかかったり、入社後に期待よりも工事ができなかったりするんだったら、未経験者募集の方がいいと思ってます。」

「中途半端に経験があると先入観があるのか、入社してからウチのやり方に馴染めない場合もある。経験がない人は初めてのことだから、素直にやってくれる場合もある。資格はあってもなくても、どちらでもいいかな。資格から学んだ知識と現場実務は、全く別物だから。資格を持っていたとしても、いきなり配線できるようにはならないし、現場での仕事に慣れながら資格を取ってくれたら十分だよ。」

「電気工事の業界で働く人を採用するのは、どんどん難しくなってるよ。俺もハローワークとかで求人を出してる時に、即戦力じゃないと困る!と考えていたから、経験者限定で募集をしてたけど、全然採用できなくて。失敗だったなと思う。同業の人と話していても、みんな難しいって言ってた。経験あってもなくても求人に応募がくるだけ儲けもんだよ、って言われた時もあったな。考えを変えて未経験者の募集にしたら、やっと応募も来たし、入社もしてもらったよ。未経験から頑張りたいって人、結構いるんだね。そういう人だったら、一緒に働いていけそうだし、こっちの方が良いと思った。」

「入社したら、元請けの講習とかセミナーに参加してもらっている。入社する時もそうだし、その後も、定期的にフォローしている。会社で資格取得のバックアップもしているから、無資格で経験なくてもOKだよ。そのかわり、覚えることは多いかもね。資格も、入社したら半年~1年以内に取ってもらうし。だから、面接とかの時に、大変なことを伝えてます。会社も一生懸命応援するけど、君の頑張りが必要だよって。」

未経験や無資格での募集をしている企業からは、上記のような声が出ていました。誰でも良いということでなく、資格や経験がない方を採用するメリットや理由があって、募集をかけているようです。無資格OKで見習い募集をしているのには、このような背景があるみたいですね。中には、「あえて、無資格・未経験の人を採用している」という企業もいました。続いてこんどは、電気工事士の資格を持っている人を対象に募集している企業は、どのように考えているでしょうか?


未経験でも資格は持っていて欲しいという企業の声
「電気工事はいろんな現場があるので、現場経験については何種類もあるし、どの経験があるかによって違ってくる。けれど、資格については1種類のみ。電気工事だったら、まず取得するのは第二種電気工事士でしょ。第二種を持っていれば、基本的な知識は学んでいるんだなと分かる。この業界に入るなら、持っていて欲しい。」

「ウチの現場の場合は、第二種電気工事士の資格までは持っていなと、やってもらえる仕事もないし、現場にいてもらっても困るからね。無資格の人は募集してないかな。」

「経験はなくてもいいけど、資格は持っていて欲しい。ちゃんと電気に興味がある、ちゃんと覚える気があると分かるので、こちらとしても安心して採用できる。」

採用する企業からすると、資格を持っていると安心できる、あるいは、資格を持っていないと任せられる仕事がない、といった声がありました。無資格OKの企業の声も、資格を必要とする企業の声もどちらも、なるほどといった内容です。既に資格を取得している方は、資格必須とする求人を含めて検討できますね。
資格を持っていない方は、資格必須とする求人への応募は難しいかもしれませんが、無資格OKの求人も多いですので、十分転職のチャンスがあります。どちらにしても、未経験者を歓迎する企業はいますので、「ほんとうに経験がないのに、いいのかな・・・」と身構え過ぎずに求人に応募して良いかと思います。
 

3.転職者自身にとって、無資格で入社する影響は?
企業側の生の声や状況は分かりましたが、一方で、転職者自身の視点で考えてみると、どのようなことが言えるでしょうか?資格を取得してから入社する場合、無資格で入社する場合それぞれを見てみましょう。

「入社する前」に資格を取得して見習いを始める場合
▽「入社する前」に資格取得する良い点
・転職活動の応募時に、資格必要の求人も選べる
・既に資格を取得していることが、転職活動時のアピールになる
・資格勉強をしながら、工事内容を一部イメージできる
・入社後、順調に現場実務を覚えていった後に、電気配線も作業可能

(注意点)
・1人で計画的に進める必要がある
・コツを押さえないと、合格までに時間がかかる
・合格しないと、転職するのが先延ばしになる

⇒ 入社する前に取得することが合っている人は、
「1人でも合格までの勉強ができる方」
「応募したい企業で、資格が必須になっている方」
「少しでも多く、転職活動時にアピールしたい方」
です。

引用元:未経験から電気工事士への転職

無資格で見習いを始めて「入社した後」に資格取得する場合
▽「入社した後」に資格取得する良い点
・会社の資格取得支援制度を利用できる(受験費・講習費・参考書代などの負担)
・先輩社員からのアドバイスなどにより、効率的に勉強できる
・現場で実物の図面や設備、工具などを見ながら勉強できる
・同時に受験する社員がいれば、仲間と一緒に勉強できる

(注意点)
・資格必須の求人への応募は難しい
・新しい職場での現場仕事を覚えることと、試験勉強が重なる

⇒ 入社する前に取得することが合っている人は、
「すぐにでも転職したい、早く電気工事の仕事を始めたい方」
「短期間で集中して効率的に勉強したい方」
「資格取得支援制度を活用したい方」
 です。

引用元:未経験から電気工事士への転職

いかがでしょうか?ご自身で、どちらの方がイメージできますか?
電気工事士として働いていくのでしたら、遅かれ早かれ第二種電気工事士の資格は取得することになりますし、資格を持っているに越したことはないです。一方、いま資格を持っていない方で、早く転職したい・資格取得の為に転職が先延ばしになるのは避けたいという方は、無資格でも転職できる求人から検討していって良いかと思います。

どちらの道を選んでも、大変なことはありますし、どちらかが絶対的に良い、こうじゃなきゃいけない、ということはありません。上記の内容を踏まえて、自分に合う方を選んでくださいね。
 

4.年齢は関係あるか?
さて、もう1つ考慮しておく必要がありそうなのが年齢でしょう。無資格・未経験の方からも、この質問は多いです。

年齢制限を設けている企業様もいますが、設けていない場合、年齢は関係ありません。しかしながら若い方のほうが転職時に有利というのは事実です。イチから仕事を覚えるとなると、それなりの時間がかかりますし体力も使います。20代ないし30代の方が、より選択肢があり、就職・転職しやすい状況にはあるでしょう。

もちろん30代後半~40代・50代だからといって絶対に電気工事士になるのは無理というわけではありません。体力がある人・給料が下がったとしても(見習い時に)耐えられる人・厳しい指導(危険を伴う仕事のため)を受け入れられる人でしたら、採用される可能性はあります。また、「ヤル気があれば年齢は気にしない」「40代ぐらいの方がむしろ必死だからよい」という声を聞くこともあります。30代・未経験から電気工事士へ40代・未経験から電気工事士へも参考にしてみてください。

熱意をきちんと伝えられれば、年齢のハンデは乗り越えられますので、面接ではきちんとこのような厳しい面も理解していることを伝えてみましょう。
 

5.見習い時の仕事内容や待遇
見習いとして入社した時は、まずは基本的な作業・資格がなくてもできる作業を覚えることから始まります。多くの場合、先輩社員の工事作業を補助しながら、仕事を早く覚えることが目標となります。

■補助・サポート作業
必要な工具・材料を先輩に渡したり、準備したりがメインです。この仕事を通じて、使用する工具や材料、工事内容について覚えます。先輩社員についてまわり、現場でのマナーを学ぶのも大事な仕事です。その他、現場の掃除、必要な工具・材料の積み下ろし、倉庫整理、社用車の運転などがあります。
実は、この期間がかなり重要です。ただ補助するだけで、なんとなく過ごしているだけでは、いつまでも補助業務しかできません。早く覚えよう!先輩からドンドン多くを学ぼう!と自分から取り組むことが大切です。まだ出来ることが少ない時でしょう。自分から覚えようとする行動して学ぶことが、先輩や会社から一番期待されていることですよ。

■事務処理
スケジュール管理を学ぶため、スケジュールや工程などを管理する事務のサポートをする場合があります。他の施工会社との兼ね合いやお客様の信頼に関わるため、工期に間に合わないことは絶対にNG!打ち合わせなどに必要となる資料の整理などをするのも大切な仕事の1つと言えます。

入社後、「こんなことしたかったわけじゃない…」と思うこともあるかもしれませんが、誰しもが通った大切な経験です。危険を伴う仕事のため、基礎を学ぶのは非常に大切なことです。諦めずに少し我慢して続けてみれば、きっと経験して良かったと思える時がきます!あとちょっとと思い、踏ん張ってみてください。

■無資格の場合は?
資格がある場合もない場合も、先輩社員の補助・サポート業務から始まることは共通です。早く一通りの現場作業の流れを覚えるようにしましょう。その後は、資格の有無で作業可能な範囲が違ってきます。資格がない場合は、感電事故・漏電火災などの事故の可能性があるため、電気の配線をいじることができません。対応できる作業としては、照明器具(家庭用)の取り外し・取り替え・取り付け(配線する・コンセントをいじるのはNG)、エアコンの取り付け業務(本体の取り外し・取り換え・取り付け、化粧カバーの取り付けのみ)などです。

電気工事士は国家資格です。法律で仕事について定められており、資格を持っていない人が工事をすると、車の無免許運転と同じで懲役や罰金が科されます。「バレないから大丈夫でしょう」そんな甘い考えを持っていると事故にあったとき、痛い目を見るので絶対にやめましょう。無資格で入社する場合は、なるべく早く第二種電気工事士の資格を取得して、電気の配線をいじれるようにしたいですね。年に2回のチャンスがありますので合格を目指しましょう。

それから待遇についてですが、資格を持っている場合は、基本給料や資格手当で、資格を持っていることが反映される企業もあります。資格を持っていた方が入社時など短期的には、給料が高くなる場合もあるかもしれません。ただ、そこから先の1年~数年後には、現場に慣れているか、作業を早く覚えて1人で出来るかどうかがの方が、給料に影響します。長い目での待遇を見ると、現場作業を早く覚えることが一番重要となるでしょう。



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